栄養素

医学界で大注目!様々な病気を治す野菜成分ファイトケミカルとは?

私がファイトケミカルに出会ったのは、アメリカの大学で免疫とがんの関係を研究しているときでした。

病気を予防し、治す力を高める作用が、植物の天然成分であるファイトケミカルに存在するということが、当時のアメリカの研究誌で発表されたのです。

実は日本でも、無意識のうちにさまざまな場面でその効能が取り入れられてきました。

ただ、「ファイトケミカル」という言葉はまだまだなじみがありません。

そこで、今日はファイトケミカルの研究者の1人としてわかりやすくお伝えします。

ファイトケミカルとは?

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ファイトケミカルとは、植物だけが作り出せる機能性成分の総称です。

ファイトケミカルの役割

植物は、動物と違って自由に動きまわることができません。

食べ物を探しに行くことも、強い紫外線や害虫を避けることもできません。

そんな自然界の弱者である植物が、自分の身を守るために作り出した強力な作用をもつ成分がファイトケミカルです

私たちの健康にも有用

植物の盾であり、ときには矛にもなるファイトケミカルですが、私たちの身体や健康にも大変有用であることがわかってきました。

ファイトケミカルは、炭水化物やタンパク質などの5大栄養素と違って必須の栄養素ではありません。

摂らなくても欠乏症にはなりませんし、必要量などの目安もありません。

ところが、さまざまな研究により、ファイトケミカルを積極的に摂取することで、病気の予防や回復にとても有効であることがわかりました。

そのため、医学の世界で非常に注目を集めているのです。

未発見のものを含めると1万5千種以上

ファイトケミカルは、現在わかっているだけでもおよそ5千種類あります。

発見されていないものを合わせると1万5千種類以上もあると言われています。

比較的新しいものだと、ぶどうの果皮に含まれる「レスベラトロール」というものがあります。

これは、寿命延長作用と若返りの効果が期待できると話題になりました。

このように、次々と新種のファイトケミカルが発見されています。

https://doctor-health-food.com/posts/1673/

代表的なファイトケミカル成分

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実は、ファイトケミカルには既に名前も知られているものが多くあります。

みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか?

  • イソフラボン(大豆)
  • リコピン(トマト)
  • β-カロテン(にんじん)
  • カテキン(緑茶)
  • アリシン(にんにく)

ここでは、ファイトケミカルの代表例として上記5つについて少し紹介します。

イソフラボン

大豆やきなこに含まれるファイトケミカルで、ポリフェノールの一種です。

女性ホルモンと似た働きがあり、アンチエイジング作用があります。

また、がん細胞の増殖を抑える作用があり、更年期障害、閉経後の乳がんや前立腺がんを予防します。

リコピン

トマトやスイカに含まれる赤色の色素成分です。

ビタミンEの100倍以上の強力な抗酸化作用を持ち、胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんの発症リスクを低下させます。

β-カロテン

オレンジ色の色素成分です。

強い抗酸化作用で発がんを予防します。

また、免疫細胞の活性を高め、がん細胞やウイルスを撃退します。

カテキン

緑茶や抹茶に含まれるポリフェノールの一種です。

がん細胞の増殖を抑える効果や、コレステロールの抑制、肥満予防、血糖値上昇抑制などの作用があります。

脂質の燃焼を高めて、エネルギー消費を高めます。

アリシン

にんにくの強烈なニオイ成分です。

がん細胞のアポトーシス(自殺死)を誘導する作用、発がん物質の無毒化、免疫細胞の活性化、抗菌作用など、様々な健康効果をもたらします。

ファイトケミカルの5大作用

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ファイトケミカルには体を病気から守る5つの作用があります。

これらの作用を積極的に取り入れることが、健康と長生きに大いに役立ちます。

1. がん抑制作用

ファイトケミカルには癌を抑制する4つの力があります。

一つ目は、癌の原因となる活性酸素を無毒化する抗酸化力です。

ニつ目は、肝臓の解毒化酵素を増やして発がん物質を無毒化する機能です。

三つ目は、がん細胞の増殖を抑制したり、がん細胞のアポトーシス(自殺死)を誘導することで、がん細胞が大きくなることを阻止する作用です。

そして四つ目は、免疫細胞を活性化してがん細胞を撃退する作用です。

これら四つの力によって、ファイトケミカルは癌を抑制するのです。

2. 免疫を整える作用

ファイトケミカルの免疫を整える作用は、具体的に言うと三つ存在します。

一つ目は純粋に免疫力をアップさせる作用です。

免疫細胞を活性化して、病原菌やウイルス、がん細胞などの異物を撃退します。

二つ目は抗アレルギー・抗炎症作用です。

免疫のシステムがバランスを崩すと、異物に過剰に反応してしまい、さまざまな症状や疾患を引き起こすします。

それが花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や、リウマチや膠原病などの自己免疫疾患です。

ファイトケミカルには過剰になった免疫のバランスを整える作用があり、アレルギー症状や炎症を抑えることができます。

そして三つ目が、抗菌・抗ウイルス作用です。食中毒、ウイルス、ピロリ菌、水虫菌などを殺菌するファイトケミカルがあります。

3. 体のサビを防ぐ抗酸化作用

エネルギー代謝に必要な酸素が体内に取り込まれると1%が活性酸素になります。

蓄積すると細胞や遺伝子を傷つけ、肌、髪、血管などの老化を進めたり、癌を引き起こしたりします。

しかし、ファイトケミカルは活性酸素を無毒化する「抗酸化作用」の強い成分が多く、老化や癌を予防します。

4. 血液サラサラ作用

ファイトケミカルには、血小板の凝集抑制する作用をもつ成分があります。

「血小板の凝集を抑制する」とは血液が固まりにくくなることを意味します。

血管の中に血栓(血の塊)ができると、心筋梗塞や脳卒中を起こすことになります。

血栓が作られるのを抑えると、生死に関わる病気を予防することができます。

5. アンチエイジング作用

ファイトケミカルには様々なアンチエイジング作用があります。

抗酸化作用のところで肌や髪の毛のアンチエイジング作用があることは既に説明しましたが、他にも、脳、目、血管、骨の老化を防ぐファイトケミカルが存在します。

身体を若く保つことは、健康的に長生きして人生を楽しむ上で何より大切なことです。

ファイトケミカルを効率的に摂取する方法

ファイトケミカルの難点は、普通に野菜を食べると摂取できない場合が多いことです。

効率的にファイトケミカルを摂取するには、下記の方法を実践する必要があります。

ジュースよりも野菜スープ

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ファイトケミカルを効率的に摂取するためには、スープにして飲むことが有効です。

なぜかというと、ファイトケミカルは食物繊維に囲まれた細胞の中に入っているのですが、人間には食物繊維を分解する酵素がないため、生野菜のまま食べると排泄されるからです。

食物繊維はジューサーやミキサーでも十分には壊れませんが、熱を加えると簡単に壊れるので、加熱するとファイトケミカルを摂取できます。

スープなら溶け出しても摂取できるので、おすすめです。

皮を有効活用しよう

ファイトケミカルは皮やその周辺に多く含まれています。

そのため、野菜を調理する際や食べる時は、皮をなるべく捨てずに有効活用して食べてください。

私はスープにするなら野菜を皮ごと煮込みますし、みかんやぶどうは皮ごとパクリと食べています。

東京大学が発見したファイトケミカル成分とは?

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最後に東京大学が近年発見した「ブロリコ」というファイトケミカルを紹介します。

ブロリコは東京大学とイマジングローバルケア社の共同研究によって発見され、特許が取得されているブロッコリーの新成分です。

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)という病原菌・ウイルス・がん細胞を撃退する免疫細胞を大きく活性化する効果が証明されており、最近は糖尿病や高血圧にも効果がみられるというレポートが上がっています。

詳しくは下記のリンク先のページで解説しているので、ぜひご覧ください。

https://doctor-health-food.com/posts/1673/